罠でハチに巣を作らせない!
ペットボトルトラップ
ハチを寄せ付けない方法や回避方法はあれど、巣全体の駆除はプロの業者でもなければとても危険な行為です。では、そもそもハチの巣事態を作らせないというのはどうでしょうか。
スズメバチやアシナガバチの巣は必ず1匹の女王蜂が作り始めます。つまり、まだ女王蜂1匹の時期に蜂駆除を行うことで、巣を作られてしまう可能性を抑えることができるのです。今回は、ご家庭にある材料で簡単にできるペットボトルトラップという罠について、ハチの特性と共にご紹介していきます。
ペットボトルトラップの作り方
蜂駆除の為のペットボトルトラップの作り方は至って簡単で、ペットボトルに2~3cm四方の穴が開くようにH型に切れ込みを入れ、上半分は雨除けとして外側に、下半分は内側に折り曲げます。この穴を4か所に作り、底に誘引剤を入れたら吊り下げられるようにひもを付けます。
人の目に触れる場合は触らないよう注意書きを貼っておくと安心です。また、ペットボトルは一つでたくさん捕獲したいなら大きなものを、複数のトラップを色々な場所に仕掛けたいなら小さなものを用意しておくとよいです。
●誘引剤について
ハチは甘い匂いに寄って来る性質があるため、甘い匂いのする液体なら何を使っても効果があります。しかし、発酵臭やアルコールの匂いにも惹かれて来るため、お酒や酢など複数の液体を調合するとより効果的です。「酒300ml、酢100ml、砂糖125g」の調合をおすすめしていますが、こちらの3種がバランスよく配合された「みりん」でも高い誘引力を発揮してくれます。
また、「焼酎 1:オレンジジュース 1」や「水 25:焼酎 2:砂糖 3:酢 1」といった配合もおすすめです。
●注意事項
時間が経つと成分が変化し効果が薄くなってしまうため、2週間を目安に新しい誘引剤と取り替えてください。トラップにかかったばかりのハチは中で飛び回っていることがあったり、死んでいても反射的に刺してくる場合がありますので、取り扱いには十分注意してください。
トラップの設置
ベランダなど建物に近すぎると捕獲が難しいため、少し離れた場所に仕掛けるのがポイントです。ハチは日光が苦手で、日陰を好んで飛び回る傾向があります。誘引剤の酸化を防ぐためにも日陰になる場所がよいでしょう。
また、人通りのいい通路側は避け、こどもの手に届かないよう地上から2メートルほどの高さに設置するようにしてください。念のため注意書きなどがあると安心です。6月以降は働き蜂をおびき寄せてしまい大変危険ですので設置はやめておきましょう。
トラップの仕組みとハチの習性
スズメバチやアシナガバチは女王バチのみが冬を越し、春になると越冬から目覚め一匹で巣をつくりはじめます。そのため、この時期の女王バチを捕獲・退治するだけで巣ができるのを未然に防ぐことができるのです。
女王バチが単体で行動するのは4月~6月頃で、それ以降は完全に巣ができてしまっているため、現れるのは働きバチになっていきます。一度巣ができてしまうと凄まじい繁殖力で、あっという間に数100匹~1000匹にまで増殖します。そのため、6月以降にトラップを仕掛けてもきりがなく、逆に危険なハチたちに寄り付かれるだけとなってしまいますのでご注意ください。
●トラップの仕組み
誘引剤の甘い匂いに誘われやってきたハチは、開けておいた穴からペットボトル内部に侵入します。その後出口がわからなくなりペットボトルの中を飛び回りますが、やがて力尽き誘引剤の中で溺れ死にます。